夏の室内を快適に!屋根の遮熱方法のご紹介
2019年06月24日(月)
暑かったり寒かったり気候の変化についていくのが大変ですね。
5月~6月にかけて急激に外気温もあがり、天気のいい日は特に室内の暑さが気になる・・・という方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は屋根の遮熱方法についてご紹介したいと思います。
家が暑くなるメカニズムと屋根の遮熱効果
なぜ部屋の中が暑くなるのか
屋根はもともと遮熱機能を持っていないものが大半です。よって部屋の中が暑くなるメカニズムとしては、夏場に家の中で太陽に一番近い部分の屋根へ直射日光が降り注ぐことにより、屋根の表面温度が上がり、もともと日光を反射する機能のない屋根を通過し、建物内へ伝わってしまう、ということなのです。
屋根に遮熱対策をするだけでここまで違う!
屋根の遮熱対策方法は3つ(遮熱塗装・遮熱機能つき屋根材・遮熱シート)ありますが、その中でも最も手軽でコスト的にも家庭に優しい方法は遮熱塗装(遮熱機能をもった塗料で屋根を塗装する方法)です。
遮熱塗装を行うと屋根の表面温度が約20℃下がります。ただし、これはあくまで屋根の表面温度の話です。室内(体感)温度は人によって体感は異なりますが、遮熱塗装をされたお施主様の声として、「夏場のクーラー設定温度を前は19℃まで下げていたが27℃でもよくなった」や「2階のモワッとした空気がなくなった」などが挙げられます。
暑くなりやすいのはこんなお家
友人はそんなに家の暑さに困っているという話は聞かないのに、自分の家は暑くてたまらない、そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。それはなぜかというと、実は暑くなりやすい家と、なりにくい家が存在するのです。
なぜ暑くなりやすいか、それは簡単にいうと日光を室内へ通しやすい造りになっているお家だからなのです。ここではそんな「暑くなりやすい=日光を通しやすい家」をいくつかご紹介します。
暑さにお悩みの方でこれらに当てはまる方は即座に、そのあとに記載いたします遮熱対策を考えてみてください。
家の種類 | 写真 | 特徴 |
---|---|---|
金属屋根のお家 | 金属屋根とは素材の種類として「トタン」「ガルバリウム鋼板」「アルミ」と呼ばれるものです。 金属屋根は熱伝導率が高く、屋根材の中で表面が一番熱くなります。また金属屋根自体が薄いので、表面温度がすぐ裏に伝わり、結果として室内温度が上がってしまうのです。 |
|
天井が吹き抜けのお家 | ※1 | 天井が吹き抜けになっていると、部屋全体の容積が増え、熱い空気を溜めてしまうので、まず冷房が効きにくい構造になっています。 また、リビング部分を1階・2階と分断しないため、2階部分のガラス窓からの日光も入り、部屋全体が暑くなりやすいのです。 |
2階や3階にリビングがあるお家(二世帯住宅の場合など) | ※2 | 2階や3階にリビングがある場合、窓が多くそもそも暑い場合が多いです。またこの場合、吹抜け天井になっている場合もあるので、前段でもお話した通り部屋が暑くなりやすいのです。2階のリビングには基本的に天窓(屋根部分に取り付けられた窓)がついており、冬は良いのですが夏は暑いという現状があります。 |
屋根がスレート瓦のお家 | 現在の戸建のお家で多くの比率を占めているスレート瓦ですが、屋根材の厚みが4~5ミリ程度しかありません。よってかなりの熱が屋根裏に侵入してしまい、室内の暑さに繋がってしまいます。 |
いかがでしたでしょうか。
これらに当てはまり、緩和したいと思った方はぜひ屋根に遮熱対策を行うことを検討されてみてください。
屋根に遮熱塗装をお考えの方へ
遮熱塗料の効果
塗料を塗るだけで効果ってあるの?と思われる方もいるかもしれませんが、屋根の表面温度で15℃~20℃、室内(体感)下がります。
暑さに困っていない方でも、家の塗替えをするときは屋根に使う塗料は遮熱効果つきにするという方もいらっしゃいます。
しかし、あまりにも屋根自体の劣化が進んでいる(家の置かれている環境にもよりますが、築20年以上経っていると劣化具合)と、その上から塗装を行うというのが不可能で、屋根の張替えや重ね張りという対策を打たなければならない場合があります。
ですので、そこまで築年数は経っていないが、暑さに悩んでいたり、ちょうど外壁も塗り替えようと思っていて屋根も同時に!と思っている方には遮熱塗装をオススメいたします。
●日本ペイント サーモアイシリーズ
下塗りにも遮熱機能をもたせ、一般的な遮熱塗料よりも高い効果を発揮。色も40色と豊富なラインナップから選べる。
耐候年数:サーモアイSi:10~15年 サーモアイF:15~20年
●エスケー化研 クールタイトシリーズ
特殊セラミック成分配合により汚れがつきにくく遮熱機能が長持ちする。
色も41色と豊富なラインナップから選べる。
耐候年数:クールタイトSi:6~8年 クールタイトF:8~10年
●アステックペイント シャネツサーモシリーズ
下塗りにも遮熱機能をもたせ、一般的な遮熱塗料よりも高い効果を発揮。
無機顔料使用により、変退色も防ぐ。
耐候年数:シャネツサーモSi:10~15年 シャネツサーモF:15~20年
遮熱機能つき屋根材をお考えの方へ
遮熱機能つき屋根材の効果
今設置されている屋根に塗装するのが遮熱塗装に対し、屋根ごと遮熱機能つきのものに変えてしまう、というのがこちらです。
新築で今から家を建てる方や、屋根自体が相当劣化していて(築20年以上のお家はこのパターンが多く見られます)塗装ができそうにないという方に適した方法だといえるでしょう。
コスト的には遮熱塗装よりかかりますが、その分もちろん耐久年数は長く、ものによっては30年相当遮熱機能のもつものもあります。
また家を建てたり屋根を張り替えたりすることは頻繁に行うことではありませんので、せっかく屋根を選ぶタイミングであれば次項で紹介する屋根材をお選びいただくことをオススメいたします。
オススメ遮熱機能つき屋根材
ここではオススメの遮熱機能つき屋根材を商品別に紹介いたします。
●ケイミュー株式会社 遮熱グラッサシリーズ
赤外線を反射する特殊顔料を配合し、屋根の色あせ・耐久性も兼ね備えた屋根材。色も7色から選べる。
耐候年数 ~30年
●ニチハ株式会社 横暖ルーフシリーズ
耐久性、屋根材種類も希望に合わせて選べる6種類展開。
変色・退色等の保証制度もついている。
耐候年数 10~20年
●田島ルーフィング アスファルトシングル
ガラス繊維基材にアスファルトを含浸させ砂で色をつけた屋根材。
防水性能を持ち、あらゆる形の屋根にフィットする。
耐候年数 10~20年
屋根遮熱シートをお考えの方へ
遮熱シートの効果
その名の通り、屋根表面や屋根裏に貼ることで遮熱効果をもたらすものが遮熱シートです。夏場の遮熱効果は遮熱塗装と同じく、屋根裏で10℃、室内(体感)温度で5℃ほどの変化があり、エアコンの稼働台数が減るという結果が出ているのですが、冬場も同様に電気使用量が3分の1に減ったとの事例もあります。
また、中には厚い断熱材を使わずとも断熱効果をもっているものもあります。
主に工場などの大型物件に使われるのが一般的ですが、戸建のお家にも使用可能で、壁にも使用できるものも多いので、屋根外壁ともに遮熱断熱したい際もオススメです。
こちらは遮熱塗料、遮熱材に比べて少しマイナーなため、扱っているリフォーム店が少ないのが現状です。よって遮熱シートが気になる方は、認定施工店(遮熱シートを取り扱っているリフォーム店)をまず調べてから、そこに問い合わせるのが早いでしょう。
オススメ遮熱シート
ここではオススメの屋根用遮熱シートをメーカー・商品別にご紹介いたします。
●株式会社ライフテック サーモバリアシリーズ
断熱機能を併せ持つ。
室内隠蔽タイプ・屋外露出タイプと貼る箇所も選べ、幅広いシリーズから機能性も選べる。
耐候年数 10~15年
●ケイミュー株式会社 遮熱シートLite
屋根裏の熱気・湿気を同時に排出し、屋根裏の温度を下げることで室内へ伝わる熱を下げる。
※ケイミューの屋根材との併用でのみ利用可
耐候年数 10~15年
●プレイリーホームズ株式会社 アストロフォイール
アルミ純度99%、反射率97%で侵入熱量を36~47%カット。
省エネ効果も優れる。
耐候年数 10~15年
屋根の遮熱対策にDIYはオススメできない
高いところは苦手ではないし、屋根に遮熱対策のための施工を自分でしてみよう!と考えた方もいるかと思います。
しかし結論から申し上げますと、DIY=自力作業はオススメできません。なぜなら屋根の上で施工をするとなると、まず危険が伴うからです。プロの職人でも屋根から落下して大怪我をしてしまうこともあるので、一般の方であればより危ないのは確かです。
労働安全衛生法では2メートル以上の高さで作業を行う場合は高所作業扱いとなり、ヘルメット、安全帯、作業床の設置 もしくは保護ネットが必要になります。2階建て以上の建物の場合、基本的に仮設足場無しでの作業は考えられません。
また屋根には雨の通り道があり、計画的に雨水を排出することで雨漏りを防いでいます。一般の方はそのことを知らないので修繕の際に雨の通り道を防いでしまい、雨漏りが発生してしまうことがあるのです。
以上のことから屋根は現場調査から施工まで、プロの業者に依頼することをオススメいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。「屋根に遮熱対策」と一言にいっても、遮熱塗料での塗装・遮熱機能つき屋根材・遮熱シートと大きく分けても3種類あり、その中でも商品種類が多くあることがわかっていただけたかと思います。その中でもコスト的にも取り組みやすい対策は遮熱塗料での塗装ですので、まずはそちらをご検討いただくことをオススメいたします。
しかしご自宅の屋根の状態によっては塗装では対応できないこともありますので、必ずプロの業者に現場調査(実際に屋根にのぼって屋根の状態を見てもらう)を依頼し、そこからどのような遮熱対策を行うかを決めていきましょう。快適な室内環境を整える上で、この記事がひとつの参考になれば幸いです。
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