雨漏りの原因
「雨漏り」と聞くと、屋根をイメージしがちですが、現在は屋根材や施工技術が進化したため、屋根ではなく外壁や窓のサッシ、壁を貫通する給排水管などの隙間から水が浸入するケースも見られるようになりました。
もちろん、屋根から雨水が進入する可能性がゼロというわけではありません。屋根から雨水が浸入したケースでは、どこをつたって室内まで達したのかが判断がしにくく、一概に雨漏りしている箇所の真上が問題のある箇所だともいえないこともあります。雨漏りではなく「漏水」や「結露」が原因だったというケースもあります。
よくある雨漏りの原因5つをまとめてみました。普段から見える範囲でチェックしておくと、もしものとき安心かもしれません。
劣化状態によっては原因箇所が複数ある場合も考えられます。
・屋根瓦の割れた部分から
経年劣化もしくは台風・地震による外的要因から、屋根のスレート瓦のヒビ割れ、漆喰の崩れ、瓦のずれなどから雨漏りが発生します。
・ベランダの防水塗膜のヒビ割れから
ベランダの防水工法が塗膜防水(塗料で行なう防水工事)の場合、人の出入りによって擦り切れ、ヒビなどのダメージが屋根や外壁よりも早く現れる傾向があります。加えて、排水口が詰まっていると雨水が流れず、ヒビから雨水が浸入し雨漏りに繋がります。
・サッシ枠と外壁防水シートの隙間から
通常は外壁をつたって流れていく雨水が、経年劣化によって発生したヒビ割れや縮んだシーリングの隙間から浸入します。そのような浸入を防ぐためにサイディング/モルタル外壁の裏面には、外壁防水シート[透湿防水シート(サイディング外壁)、アスファルトフェルト(モルタル外壁)]がはられています。しかし、施工不良や経年劣化によってサッシ枠とシートの間に隙間ができていると、そこから建物内部へ雨水の浸入を許すことになります。
・給排水管から
給排水管もサッシ枠と同じように、外壁と防水シートを貫通しているためそこに隙間があると雨水が浸入してしまいます。
・天窓から
建材・施工技術が進化して雨漏りがしにくくなってはいますが、それでも通常の窓と比較すると雨漏りの原因になりやすい箇所といえます。
雨漏り調査は業者に依頼?自分でチェック?
定期的にプロに雨漏り調査を依頼するのがベストです。
原因を特定するのが難しいということもありますが、屋根など普段全く見ないような箇所も見る必要があるからです。
早い段階で雨漏りを発見できれば修理費も安くなります。
もしすでに天井や壁のクロスなど室内に雨漏りの症状が出ている場合は、かなり劣化が進んでいますので至急業者に依頼しましょう。
どんなタイミングで調査を依頼すればわからないという方は下記の項目を自分でチェックしてみてもいいでしょう。
2階や3階は危険ですので見える範囲でチェックを行ない、一つでも気になったら業者に診断を依頼しましょう。
【外観】
・スレートや瓦にヒビが入っている、ずれている
・コーキングが剥がれている
・棟板金が浮いている
・外壁が色あせて(変色して)いる
【内装】
・天井や壁のクロスが浮いている
・押入れ(クローゼット)の中にカビが発生している
・サッシや窓枠に水滴がたまっている
・最近カビ臭くなったところがある
・雨が降るとどこかから水滴の音がする
雨漏りを補修する方法
雨漏りを直す方法としては、自分でできる応急処置と業者に依頼して行なうものに分けられます。
自分でできる雨漏りを補修する方法(応急処置)
・ブルーシートをかぶせる
・排水口をきれいに掃除する(水がきちんと流れるようにする)
・防水テープで雨水の浸入口を塞ぐ 等
ブルーシートや防水テープは劣化が早く、しばらく経って雨漏りが再発する可能性が高いです。一時的な応急処置と考えたほうがいいでしょう。
業者に依頼する場合の修理方法
・浮いた棟板金をはずし、新しく打ち直す
・ヒビ割れたスレートをコーキングで埋める、場合によっては新しいものに替える
・割れた瓦を新しい瓦に交換する等
その他にも原因に合わせて、補修や交換を行ないます。
費用は劣化状況によって変わってきます。
必ず一時しのぎの応急処置なのか雨漏りを根本的から解決する補修なのか確認しておきましょう。
経年劣化で様々な箇所から雨漏りしている場合などは、屋根の葺き替えをした方が結果として安く済む場合もあります。